『旅するヴァイオリン弾き』
【ヴァイオリンを弾く吟遊詩人】
狭義かも知れませんが「旅」というのは、いつ帰る、もしくは辿り着くのかわからないもののことを言うような気がします。
そんな「旅」を続ける音楽人が今回の主人公です。
彼の名は山内達哉(32歳)さん。
宮崎県出身で今や日本国内はもとより海外でも活躍する音楽人です。
彼の職業を一般的にあてはめると「ヴァイオリニスト」と呼ばれると思いますが、彼はそれに一種の違和感を持っているようで、彼は自らのことを「ヴァイオリン弾き」や「音楽人(おんがくびと)」と名乗ったりしています。
それは別段自分を卑下して言っているのではなく、そう呼ぶことによって、旅のようにとらわれず自由でいられるという彼のメッセージなのかもしれません。
実際山内さんの音楽活動はクラシックという垣根を感じさせず、尺八などとの共演したり、他のヴァイオリニストが敬遠するようなロケーションでの演奏もなんら躊躇することなく引き受けたりし、また自分の演奏だけでなく、あたりを俯瞰するようなイメージで各地の音楽祭をプロデュースしています。
オリジナル曲も多く、山内さんは行く土地々々で情景をスケッチするかのように親しみ奏で、まさにヴァイオリンを弾く吟遊詩人のような活動をされています。
その活動は同じ宮崎県出身の歌人若山牧水(1885-1928)を思い起こさせます。
インタビューの中で山内さんご自身も牧水の話に触れ、全国各地に残る牧水の歌碑への憧れを口にされました。
山内さんの大きな身体の中から発せられる牧水への想いは、おそらくご自身に照らし合わせて故郷や旅してきた土地や自然、人々への想いが重なっているのだと感じました。
楽曲はなかなか石に刻むことは出来ませんが、彼が復興支援や各地の学校を巡る演奏会などで多くの人と直接触れ合い残した音の情景は皆さんの中で決して褪せないものだと思います。
是非その素敵な音楽の旅を続けて頂きたいと思います。
ちなみに若山牧水のご長男は1998年までご存命で、お名前を『旅人』といわれたそうです。
【四つ目の大使】
山内さんはこれまでの活動の功績が認められ現在三つの自治体の大使(埼玉県親善大使・都城市特派大使・朝来市観光大使)を任命されています。
朝来市は“日本のマチュピチュ”であるとか“天空の城”とも云われる『竹田城』を有する町です。その朝来市できたる2014/4/6(日)山内さんがご出演される『天空の城音楽祭』(チラシ写真参照)が開かれます。ぜひ皆様お運びください。
今回のインタビューを終え、ドサクサ紛れに「もうひとつRecordBook宮崎の大使になってもらえませんか?」とお尋ねしたところ、いとも簡単に「いいですよ~喜んで!」と仰っていただきました。
そこでこのたび『RecordBook宮崎・音楽人大使』を任命させて頂きます。
この後半はまた旅の途中、宮崎に戻られたときにあらためて。 <続く>
【山内達哉 プロフィール】(ホームページより抜粋)宮崎県都城市出身、桐朋学園大学短期大学部音楽科卒業。「日本の心」と題し、日本の歴史や風景をテーマにオリジナル曲の作曲や、ヴァイオリンと尺八との共演などジャンルの枠を超えた独自の音楽世界を展開する。その活動は、海外でも好評を博し、これまでに「外務省在外公館長表彰」授与「第一回埼玉県グローバル賞」受賞「埼玉県親善大使」、「都城市特派大使」を委嘱される。作曲・演奏活動と共に、音楽祭のプロデューサーや音楽監督も務める。2014年4月より、朝来市観光大使、桐朋学園芸術短期大学非常勤講師。山内さんの活動やCDのご購入はコチラをご覧ください→www.office-kon.jp/